【行政書士の話】新札

【新札】
行政書士 川戸恵子
新年明けましておめでとうございます
本年もMie女性起業支援室をよろしくお願い申し上げます
私は行政書士の傍ら作文教室(塾)を主宰しています。
行政書士の報酬や教室の中学生の授業料は銀行振り込みをお願いしていますが,小学生の保護者の方からは月初めに現金でいただいております。その際いつも決まって新札を月謝袋に入れてくださる方が何名かいらっしゃいます。(1月は,お年玉の関係か,全体的に新札率が上がりますが(笑))
保護者の方が忙しい合間を縫って授業料のために新札を準備してくださっているのだと思うと,恐縮すると同時にありがたい気持ちになり,自然と背筋が伸びます。

 さて新札と言えば,私が20年以上通っていた美容院では,お釣りを必ず新札で渡してくれました。開店以来ずっとそうしていたそうですが,私がそのことを偶然にも知ったのは,通い始めて10年以上も経ってからでした。迂闊にも私は長い間そのことに気づかずに,お店のスタッフとおしゃべりをしながらお釣りとして受け取った新札をさっさとお財布にしまっていたのでした。

 お釣りのために新札を準備しておくなんて,自営業の中でも美容院やエステサロン,あるいは少しいいレストランや老舗のお料理屋さんなど,予約限定でお客さんを受け入れているお店ならではの話かもしれません。
 確かに,自営業なら時間の融通がきくから銀行に出向き新札を用意してくることも簡単だということもありましょう。しかし,そうしない同じ業種の方もいらっしゃるので,自営業の方だからと一概には言えない気がします。(実際私は某エステサロンでシワシワのお札でお釣りを出されたことがあります)

自分はお客さんのために何ができるのか,何をしたいのかを考えて,その中でしたいことの一つに「お釣りには新札を渡すこと」が,その店の誇りの一つなのかもしれません。 銀行に出向き新札を準備することを「一円の得にもならない面倒なこと。古くても新札でも同じ金額なのだから」と考えるのか,「来てくれたお客さんに渡すのは新札でというのは当店の譲れないところ。それは決して手間ではない」と考えるのか,の違いだと思います。要は,お店の側,経営者の心構え一つだと言えるのではないでしょうか。
ということで,私も授業料のお釣り用にと新札を準備しておくのですが,保護者の方はきっちり決められた授業料通りに入れてきてくださいますので,新札は出番がないまま,ついついお菓子などに代わってしまっています。